最近、女性用育毛剤が増えています。女性用育毛剤には医薬品会社が販売する「××レディ」「レディース○△」といった男性向け育毛剤の女性版以外に、化粧品会社がおしゃれな名前で販売している製品も少なくありません。中には飲む育毛剤もあります。男性向け飲む育毛剤といえばプロペシア(フィナステリド)ですが、この薬はAGA(男性型脱毛症)の治療薬なので男性にしか処方されません。女性に対してはホルモンバランスに影響を与えたり、胎児に作用したりするリスクが指摘されています。
女性用の飲む育毛剤はサプリメントや健康食品が主流で、ミレットエキスやコラーゲンなどが主成分になっています。ほかに核酸(DNA)を多く含むビール酵母などの酵母類、髪の合成に必要な亜鉛やセレンなどのミネラルなどが加えられています。しかし、なぜこんなにたくさんの女性用育毛剤が販売されているのでしょうか?
昔は「女のいのち」と呼ばれた髪の毛。オー・ヘンリーの代表作「賢者の贈り物」という小説は、クリスマスのプレゼントを買うお金のない貧しい夫婦が主人公で、妻は夫の懐中時計の鎖を買うために、自慢の美しい髪を切り落として売ってしまいます。一方、夫は妻の美しい髪をかざるべっこうの櫛を買うために懐中時計を売ってしまう、という物語です。洋の東西を問わず髪は女の命だったのですね。
そんな女性の髪に対して非常に多くの育毛剤が販売されているのはなぜでしょう?頭髪は女性ホルモンの影響によって成長しますが、閉経後の女性は急速に女性ホルモンの分泌量が減ってしまいます。ですので、女性も更年期を過ぎると頭髪が薄くなるものなのです。
しかし、最近はダイエットの影響で10代~20代の若い女性が閉経状態に陥ることが少なくありません。ダイエットはホルモンバランスだけでなく、髪を成長させる栄養素も著しく減少させます。カラダに栄養が不足しているのですから、髪にまで栄養は届かなくなります。
それから、最近は髪を染めていない女性を探すほうが大変なくらい、ヘアカラーを使用する女性が大半です。当然のことながらヘアカラーは髪の毛だけでなく大切な地肌や毛根も傷めますので、髪の毛に悪影響を与えてしまいます。本当の意味で髪を大事にする女性が減っているのかもしれません。そういえば、髪飾りってあまり見かけなくなりましたね。